みなさん今日もお疲れ様です。
さて、社会人でも勉強する人が多い英語の資格試験のひとつと言えばTOEICです。
スコアや取得級によって自分の英語力が客観的に評価されるので、採用試験や人事評価で広く活用されていますよね。
このようなTOEICですが、受験資格は社会人だけではなくあらゆる人に開かれているので誰でも受験資格があります。
たまに幼稚園児や小学校低学年の子供がTOEICで800点を取得したりといったニュースが流れているように、老若男女問わず幅広く日本で普及している英語資格試験がこちらのTOEICなんです。
そして今日のテーマですが、果たしてこのTOEICの対策が直接大学受験に使えるのかということなんです。
昔から受験英語は何の役にも立たないと言われ続けてきました。一方でTOEICは、英語を母国語としない受験者が本当の英語力を持っているのかをリアルに測定できると言われてきました。
そもそも論を言えば、受験英語とTOEICのような英語資格試験に齟齬があること自体がnonsenseなわけですが、さすがにここ15年くらいで大学側もこれではマズイと思い始めたようで、TOEICのように生きた英語力を入試で求める問題を出題するところもかなり増えたんです。
今日はそのような大学・学部の傾向を受験生の皆さんにお伝えして、その傾向と対策の参考にしてもらえたらと思います。
■もくじ
1.TOEIC対策がそのまま受験対策になる大学とは?
1-1.TOEICで問われる英語力とは
1-2.TOEICのL&R対策の内容とは
2.TOEICのL&R対策が入試英語と親和性の高い大学・学部
2-1.早稲田大学の英語
2-2.上智大学の英語
2-3.慶應義塾大学の英語
■まとめ&その他の大学はどうなのか?
ちなみにこの記事を書いている僕は、TOEIC980点・英検1級のロスジェネ世代(棄民世代)のおやじです。かつて底辺高校から現役で超難関有名大学数校に合格した下剋上武士とは僕のことです。
1.TOEIC対策がそのまま受験対策になる大学とは?
そもそも英語という語学の試験がその主催者の意向よって大きなばらつきがあること自体が僕は問題だと思うんですが、それを今言っても仕方ないので今日は控えます。
とは言っても、大学入試に限って言えば、各大学の教育方針によって学生に求める英語力のレベルや内容には多少ばらつきがあるのは仕方がないことかも知れません。特に大学の場合、話して聴けるというだけでなく学術論文などを読解できる英語力や自分でレポートや論文を書ける英作文力も求められるのです。その内容やレベルは各大学の学部や学科によって多岐に渡りますので出題傾向はどうしても出題傾向は違ってきてしまいます。
ではそのようなバラつきの中で、日本で広く採用されているTOEICの対策だけでそのまま入試で通用する大学・学部には一体どのような思惑があるのでしょうか?
1-1.TOEICで問われる英語力とは
TOEICとは「Test of English for International Communication」のことで、ビジネスの場や日常生活での会話や文章でのやりとりといった英語能力を測るためのテストです。以前のTOEICはLISTENING(聴解)とREADING(読解)のレベルを半々で問う990点満点の試験(TOEIC L&R)のみでした。しかし昨今では別枠の試験としてSPEAKING(会話力)やWRITING(作文力)を問うTOEIC S&Wというものも実施されています。
ただし受験者が圧倒的に多いのは昔からあるL&Rの方で、こちらの対策が受験英語に直結する大学学部について今日は書こうと思います。
1-2.TOEICのL&R対策の内容とは
TOEICのL&Rを既に受験したことがある方ならご承知のとおり、対策分野はLISTENING(聴解)、VOCABULARY(語彙)、GRAMMAR(文法)、READING(長文読解)となります。
つまりここには無いSPEAKING(会話力)やWRITING(作文力)の出題が無く、かつ出題方式が類似している大学・学部の入試との親和性が高いということで、そのような大学・学部は最近物凄く増えているんです。
おそらく大学側の意図としては、受験生の本物の英語力を知ることで合格者を選定したいということなのでしょう。ゆえに出題方式や問題傾向がTOEICに似通ったタイプのものになっているのではないでしょうか。
海外の大学には及ばないものの、学生の英語力の高さを重視する傾向は昔と比べるとどこの大学も非常に高まってきていますからね。
2.TOEICのL&R対策が入試英語と親和性の高い大学・学部
それでは実際に、こちらTOEICのL&R対策が入試英語と親和性の高い大学・学部についてご紹介しようと思います。
出題内容について、TOEIC・L&Rのように聴解と読解(語彙と文法含む)となっている大学・学部となります。したがって、国公立大学や一部の私立大学のように記述を含むところは必然的に対象外となります。
そして、TOEICのL&Rのスコアでどれくらい取れていれば英語科目だけに関してはほぼ間違いないであろうというボーダーを僕個人の分析ではじき出してみました。
ちなみに、これはあなたの合格を100%保証するという意味ではありませんのでその点はあしからず。
2-1.早稲田大学の英語
まず早稲田大学の場合です。
法学部、社会科学部、国際教養学部、人間科学部、スポーツ科学部の入試英語との親和性が高いです。
TOEICのように設問も英語で回答は択一あるいは並び替えといった選択制であるところが親和性が高いですね。
また長文の内容や語彙力や文法力を問う問題のレベルについてもかなり似通っています。
ちなみに、各学部の合格ボーダーとTOEICスコアのレベルは、
国際教養学部・・780点
法学部・・730点
社会科学部・・700点
人間科学部・・600点
スポーツ科学部・・600点
といった具合です。
国際教養学部の英語の難易度はずば抜けて高い印象を受けました。
日本人の非帰国子女(純ジャパ)にはちょっとこれは酷かなと思います。しかし、欧米の同世代の高校生や帰国子女日本人の中で、平均レベル以上の学力のある子なら9割は取るんだろうなとも思われます。
2-2.上智大学の英語
続いて日本有数の伝統を誇る外国語教育大学、上智大学です。
さすが上智といった感じで、TOEICの出題内容よりも一歩も二歩も踏み込んだアカデミック(学術的)な素養を問う問題が揃っています。
ちなみに、全学部の入試英語問題が選択式で一部で聴解を課しているところからもTOEIC対策との親和性はかなり高いと言えます。
そして、合格ボーダーライについてのTOEICスコアとの相関関係は以下のようになります。
外国語学部・・730点
総合グローバル学部・・700点
文学部・・700点
法学部・・680点
経済学部・・680点
総合人間科学部・・680点
理工学部・・600点
やはり外国語学部は上智の看板だけあって難易度も高い印象があります。
また、出題のボリュームも多いので考え込んでいては時間が足りません。テンポよく回答する必要がありますね。その点もまさにTOEICと類似した点です。長文の内容も時事問題からアカデミックなものまで幅広いトピックから出題されます。
2-3.慶應義塾大学の英語
そして慶應義塾大学です。
日本の私立大学の中では早稲田大学と共にツートップを張っている慶應ですが、伝統的に外国語教育や西欧諸国の学問を重視していまよね。
それは入試英語にも反映されていて、難易度はかなり高いと言えるでしょう。
ちなみに、TOEICと親和性の高い学部は下記となりますが、総じてハイレベルです。日本の高校生向け入試問題というよりは、世界中の非英語圏の人向けの英語レベル検定試験、まさにTOEICやTOEFLのような印象です。
早稲田の国際教養学部と同じく、これを日本人の高校生に解かせるのはちょっと可哀そうかなと思えるほどです。
法学部・・780点
総合政策学部・・720点
環境情報学部・・700点
薬学部・・650点
特に法学部ですが、これはちょっと英語ネイティブでも満点は無理かと思いますね。幅広い社会科学の素養が無いとわからない内容の文章も出題されていあるので、英語という語学対策だけでなく社会問題等についても英字新聞などを読んで親しんでおいたほうが無難に思われます。
ちなみに、総合政策学部と環境情報学部はTOEICとの親和性がとても高いと思われます。
非帰国子女(純ジャパ)高校生には少々ハードルが高いですが、TOEIC720~730点ほどの実力があれば合格点に届くと思われます。
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■まとめ&その他の大学はどうなのか?
ちなみに、ここでご紹介した以外にもTOEICとの親和性が高い入試英語問題を出題する大学・学部は有りますが、それらはまた折を見てご紹介しようと思います。ひとつ言えることは、近年どこの大学でもこのような英語力の本質を浮き彫りにできるTOEIC的な内容の出題が増えているということです。
さらに、こちらでもお伝えした大学入試制度改革や英語教育改革もあって、入試英語自体の在り方も変わってきています。
例えば、TOEICもそうですし、TEAPやIELTSや英検など、外部の英語試験を導入する大学も急速に増えてきています。
ですので、これから大学受験を控えた皆さんは、入試英語という枠にとらわれずに英語学習を進めることが重要なポイントであるということを心がけてください。そして、日々刻々と変わる入試英語環境を注意深くチェックしてください。