偏差値38からTOEIC980点まで這い上がったロスジェネおやじの下克上人生物語

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軽量入試と言って私大をあなどること無かれ!【大学入試英語】

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軽量入試と言って私大をあなどること無かれ!【大学入試英語】

band concert

みなさんご無沙汰しています。

今日から新年度ですね!
そして新元号も令和と決まりました!
心機一転、みなさんの英語学習にも身が入りますように!

さて、今日は大学受験における英語について、特に「軽量入試」と言われてネット上ではしばしば叩かれている私立大学の入試について、僕が高校時代に出会ったある同級生の話をお届けしようと思います。

人には色々な生き方や価値観があります。
まさに十人十色、それぞれの人にはそれぞれの生き方が有ります。
したがって大学受験や英語の人生における位置づけもまた人によって異なります。
ですので、それを一括りにして「軽量入試」といって馬鹿にすることは全くNonsense(ナンセンス)なことです。

そのことを端的に教えてくれたのが僕の高校の同級生、高島(仮名)だったのです。


■もくじ

1.高島という帰国子女について
 1-1.アメリカで覚えたギター
 1-2.高島の中でギターとは
 1-3.高島の高校受験

2.高島の二足の草鞋高校生活
 2-1.二兎を追う者は一兎をも得ず
 2-2.極限まで狙いを定めた大学受験
 2-3.軽量入試といってあなどることなかれ

■まとめ

 

ちなみに、この記事を書いた僕の英語偏差値は38でした。底辺高校に進学しましたがその後、本能に根差した英語学習に取り組んで、TOEIC980点・英検1級まで這い上がり超難関と言われる大学に現役で合格しました。
そんなロスジェネおやじが高校時代に出会った男の話、ぜひ呼んでください。

1.高島という帰国子女について

people playing guitars on the stage

この高島という男、僕の高校の同級生で帰国子女の男でした。


ロサンゼルスに小学校高学年から親の転勤で移り住み、高校受験と同時に日本に帰ってきた帰国子女です。普通帰国子女なら英語が出来るというアドバンテージを最大限に活用してそこそこの有名な高校に進学するのが定説ですが、高島は僕と同じく何てことも無いむしろ底辺高校に入学してきたのです。
見た目は当時流行り始めていたロン毛、そしてやせ型でちょっと猫背な奴でした。


それと、いつもヘッドホンを付けてMETALICAを聴いて居ましたね。
今となればなんとも懐かしい光景です。

 

1-1.アメリカで覚えたギター

 

そんな高島ですが、ギターとの出会いはアメリカの現地校での学芸会だったそうです。
当時現地のアメリカ人たちと一緒になって学芸会の出し物としてメタリカのコピーを演奏したのがきっかけだったそうで、そこからギターの魅力にどっぷりとはまり込み、小遣いを貯めてさっそくエレキギターを買ったそうです。それ以来、高島の生活の中心にはギターが有り、何事もギターを最優先にする暮らしが始まったとのことでした。

ギターのどこに惹かれたのかを聞いたことがあるのですが、奴が言うには「全部だ!」とのことだったのです。音から見た目から難しさから、何もかもが奴の心を鷲掴みにしたようでした。当然勉強なんてそっちのけだったそうです。

ちなみに、親は某大手銀行のエリートだったのでそんな息子の姿を見て大激怒して何回もギターを取り上げられたそうですが、そんなことに屈することなく頑なにギターを守り続けた男、それこそが高島という男なのです。


1-2.高島の中でギターとは

Photo of Person Playing Acoustic Guitar

このように、高島の中でギターとは、若干15歳にして人生そのものだったのです。
それほどまでにこのギターという楽器に魅せられて、全てをギターに捧げる覚悟が出来るとは、僕はある意味羨ましく思いました。まだまだ15歳程度では、一体自分は何がしたいのか、どこからきてどこへ向かっているのか、なんて中2病みたいな自問自答を繰り返している時期なのに、そんなことなど考えもせずこの高島という男はひたすらギターと共に居ることを守り続けるという生き方を既に確立させていたのでした。

 

ですので、高校受験など正直奴の中では何事でもありませんでしたし、別に中卒でバイトをしながらギターを弾くことも考えたそうですが、さすがに母上様が大泣きしたそうで、それには無敵の高島といえども躊躇してしまったようですね(笑)。

 

ともあれ、ギターのために受験勉強ごときで時間を取られることは高島にとては苦痛でしかありません。そこで奴がとった作戦とはいかに・・?


1-3.高島の高校受験

 

そもそもこの高島という男は極めて地頭が良い奴なんです。


ですので、数学のようなセンスが問われるような科目が十八番でした。更に英語は帰国子女なので何もしなくても偏差値70近くはたたき出します。そんな奴が受験したのが、早慶の付属校や偏差値70前後の進学校だけでした。

 

一応模擬試験でも合格可能性7割の判定は出ていたようです。しかし、やはりギター中心の生活だけで乗り切れるほど高校受験も甘くはありませんでした。なんと結果は全滅!そして、辛うじて二次募集の出ていた僕と同じ高校に滑り込んだという経緯があるんです。ちなみに本人は飄々としており、「え?この高校って偏差値38くらいでしょ?」なんて言っていましたね。

 

もっとも、そこまでは低く無かったんですけどね(笑)。彼の中ではギターには何も影響が無いので自分の通っている高校のレベルなんて眼中に無かったようです。

 

2.高島の二足の草鞋高校生活

 

当然高島のギター熱は日本に帰国して高校生になっても衰えることはありませんでした。むしろ益々ヒートアップしてバンド仲間とライブハウスを転々としていました。そしてメジャーデビューを目指してギター漬けの生活を送っていたのです。まさに二足の草鞋とはこのことかと、僕は傍で見ていてそう思ったのでした。

 


2-1.二兎を追う者は一兎をも得ず

Man in Pink, Black, and White Plaid Dress Shirt Holding a Guitar Near Green Bush

ある日逆に高島から僕は聞かれたことがあります。それは、「祝井ってさ、何でそんなにムキになって大学受験に燃えてるの?」ということです。僕はその時に、自分が高校受験に失敗したときの悔しさを滔々と高島に語りました。すると意外な答えが返ってきたのです。

 

高島いわく、「そうだったんだ!それカッコいいなマジで。いいじゃん!」とのこと。全く路線の異なる高島の目には、僕みたいなタイプは至極ダサく映っているのかと思っていたのですがそうでは無かったんです。方向性は全く違うけれども、一つの道を究めようとしているという共通点において尊敬できるということだったのです。その時僕は何だかとても嬉しかったですし、高島にしてもそうだったみたいで、それ以来高島とは意気投合したのでした。

 

そしてその時二人で話していたたどり着いた結論は、「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということです。つまり、何事もエネルギーを集中投下させないと大した結果は出ないという事です。

 

片手間で太刀打ちできるほど甘い事に取り組んでいるのではないという互いの覚悟を感じることができました。

 


2-2.極限まで狙いを定めた大学受験

man using sniper rifle

とはいえ、高島が完全に大学受験を捨てていたかと言うとそうでは無かったのです。これもギターのため、音楽のため、自分のギタリストとしての生きざまのため、ということで高島は最低限の労力で最大限の結果を大学受験で出そうとしていたのでした。

 

確かにもともと地頭の良い男でしたし、英語は帰国子女なので圧倒的に有利でしたが、当時の大学受験はそこまで甘くはありませんでした。帰国子女で英語無双かつその他の科目も偏差値70超えというモンスター級は正直腐るほど居たので、高島ごときはあっという間に埋もれてしまいます。

 

そこで奴が取った作戦とは、英語と国語と小論文だけに絞った大学受験でした。英語が無双と言えども文法や和訳などは帰国子女でもかなりの勉強をする必要があります。そして、文系なら日本史や世界史や政治経済の社会科目を1つ、さらに現代文・古文・漢文、そして必要なら小論文対策が必要になるわけです。そこで高島がとった大胆かつ緻密な作戦とは、社会は(社会すら)捨てて、実質英語と国語の2科目で勝負することだったのです。

 

もちろん相変わらず生活の中心はギターでした。ライブをこなしながら空いた時間で英語の文法や国語や小論文対策をやってのけ、何と高島は難関大学数校に合格したのです。早稲田一文、慶応藤沢、青学など、当時英語と国語または小論文だけで受験できた大学に軒並み合格したのでした。

 


2-3.軽量入試と言ってあなどることなかれ

 

そして、高島はいずれかの有名大学に進学してそこでバンド活動に益々没頭し、とうとう念願のプロデビューを果たしたのでした。そこまで有名なバンドではありませんが、CDも出しましたしヒットチャートにもしばしばランクインするとてもニッチなバンドで成功をおさめたのです。

 

ちなみに今ではそのバンドは解散していますが、高島の音楽活動は相変わらず続いています。「二兎を追う者は一兎をも得ず」と言いながらも二兎を得た高島のロックな生きざまには圧倒されます。

 

ネット上では「軽量入試」と言ってよく私大の入試のことを小馬鹿にするガキが多く見受けられます。しかし、そういうガキんちょはまず第一に、誰もが同じ価値観を大学受験には求めていないという現実を知るべきですね。この高島のように、大学受験自体がそもそも自分にとっては足枷で、しかし自分の本業のために有効利用しようという人も居るんです。学歴に対する価値観を一元的に割り切ろうとするからこそ、「軽量入試」などと言ってマウントを取ろうとするくだらない子供が後を絶たないのでしょうな。

そんなガキどもにはこの高島のことを少しは見習えと言いたいものです。

 

■まとめ

孤高のGuitarist高島、その男の生活の中心はあくまでギター。そんな生き方をしながらもカッコよく二兎を追う者でも二兎を得る姿、そんな姿を前にして大学受験というものを画一的な価値観で割り切ることなどできるはずもありません。

それが解っているなら「軽量入試」などと言って私立大学入試のことを馬鹿にすることなどナンセンスでしかないのです。大学入試については人それぞれの価値観や思いがあるという事を、受験生然りその親がしっかりと教えてやらないことにはいつまでたっても日本社会から受験戦争の呪縛は消えることは無いでしょう。

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